AC1187 ハッティンの戦い(CRUSADESⅡ)

CRUSADESⅡ(ハッティンシナリオ)~その3

12ターン・十字軍プレイヤーターン(7月4日10:00)

Fi2602380_3e このターン、不利な状況のタキー・アッディーンは命令を守備命令に変更することに成功した。守備命令下のユニットは1ヘクスしか移動できないが白兵戦で防御する際に有利なサイの目修正を得られる。

レイモンドは損害を受けていない重騎兵を突撃状態にさせ、白兵戦でタキー・アッディーンのユニットを敗走させた。ただし敵の包囲を恐れて突破はしなかった。また運の悪いことに重騎兵1個が疲労状態になってしまった。

バリアンは重騎兵とクロスボウ兵の攻撃でゴクボリのユニットをいくつか敗走させている。

ギーは、突破しようとしていたサラーフ・アッディーンの1ユニットを全滅して阻止した。

全滅18戦力、敗走中10戦力、戦力減少10戦力、合計38戦力の損害。

Fi2602380_4e 12ターン・イスラム軍プレイヤーターン(7月4日10:00)

ゴクボリとタキー・アッディーンは、十字軍重騎兵が損害を受けてたいした攻撃ができないため、何とか戦列を保っている。しかし、敗走中のユニットが大幅に増え一部は指揮範囲外まで敗走したため戦列復帰不能になっている。

サラーフ・アッディーンはなおも突破を図る。敵歩兵を敗走させたが戦力が足らずいまだ不完全な状態。

全滅40戦力、敗走中21戦力、戦力減少9戦力、合計70戦力の損害。

Fi2602380_5e 13ターン・十字軍プレイヤーターン(7月4日10:30)

重騎兵とスタックしたバリアンは単独でゴクボリの軍を攻撃する。また重騎兵1ユニットを突撃状態にすることに成功した。

レイモンドの軍は戦力減少のため戦列を整理しただけで攻撃できなかった。

ギーの重騎兵1ユニットが突撃状態になった。

全体的に大きな進展はない。

全滅18戦力、敗走中23戦力、戦力減少14戦力、合計55戦力の損害。

回復フェーズではじめてイスラム軍の敗北チェックを行う。70戦力の損害なのでサイの目10以上で敗北。結果は敗北せず。

Fi2602381_1e 13ターン・イスラム軍プレイヤーターン(7月4日10:30)

ゴクボリは全体的に戦列を下げたものの、バリアンが突出したのを見てこれを攻撃することにした。結果は予想外の成功でバリアンは戦死、十字軍重騎兵は全滅した。

サラーフ・アッディーンは前ターンに右翼から突破した騎兵で十字軍重騎兵を攻撃するも失敗して全滅。

左翼の攻撃は成功し突破を図るが、敵兵力多くかなり苦しい状態。

全滅44戦力、敗走中16戦力、戦力減少14戦力、合計74戦力の損害。

Fi2602381_2e 14ターン・十字軍プレイヤーターン(7月4日11:00)

これ以上損害を出したくないレイモンドは守備命令に変更。

バリアンの軍はゴクボリの軍を攻撃し民兵を除去。

ギーの重騎兵がタキー・アッディーンの騎兵を攻めるが失敗して損害を出す。

回復フェーズでイスラム軍の敗北チェックを行う。74戦力の損害なのでサイの目10以上で敗北。結果は敗北せず。

全滅28戦力、敗走中13戦力、戦力減少17戦力、合計58戦力の損害。

14ターン・イスラム軍プレイヤーターン(7月4日11:00)

Fi2602381_3e ゴクボリは少ない戦力をかき集めて何とか戦列を作ってバリアンに対抗する。

タキー・アッディーンも戦列は穴だらけだが、自ら敵歩兵を攻撃し敗走させた。

サラーフ・アッディーンは、総力を結集してギーの隣の十字軍重騎兵を攻撃し退却させた。

全滅56戦力、敗走中20戦力、戦力減少10戦力、合計86戦力の損害。

最終ターン・十字軍プレイヤーターン(7月4日11:30)

Fi2602381_4e バリアンの軍がゴクボリの民兵を攻撃し、敗走させた。

ギーの歩兵が前ターン左翼から進出していたサラーフ・アッディーンの騎兵を攻撃し敗走させた。

双方とも損害多く、それ以外は大きな動きなし。

全滅28戦力、敗走中13戦力、戦力減少20戦力、合計61戦力の損害。

回復フェーズでイスラム軍の敗北チェックを行う。86戦力の損害なのでサイの目9以上で敗北。結果は敗北せず。

最終ターン・イスラム軍プレイヤーターン(7月4日11:30)

Fi2602381_5e ゴクボリは戦列を後退させた。

全体的に戦列の整理だけに終わった。

全滅56戦力、敗走中20戦力、戦力減少10戦力、合計86戦力の損害。

双方勝利判定チェックでは決着がつかないため、イスラム軍の勝利に終わった。

【プレイの感想】

まず感じたことは、これがあのハッティンの戦いなのだろうか?ということだった。

書籍を読む限り、勝敗は戦端が開かれる前から決まっていた。イスラム軍の射撃により十字軍大損害、歩兵壊滅→重騎兵のみ奮戦し戦場を北へ移動→ハッティンの丘で全滅、という流れだった。

ゲームではこの流れとは全く違った戦いが展開される。

イスラム軍は射撃できるユニットは多いが命中率が低いため、ほとんど十字軍に損害を与えられない。逆に命中率の高いクロスボウ兵に倒される始末。

結果、強力な重騎兵を持つ十字軍がイスラム軍に大損害を与えて最後まで優勢を保つことができる。ゲーム上は勝敗判定チェックで勝敗が決まらなければイスラム軍が勝利するため、イスラム軍は十分勝つことができるが、戦況は十字軍有利で全く納得がいかない。この辺はゲームデザイナーは史実の何を再現しようとしたのか、知りたいところである。

またゲームでは北(ハッティンの丘)へ移動する理由がないため、マレスカルシア付近の戦いに終始する。

ゲーム展開を史実に近づけるには、イスラム軍の射撃能力を高めること、十字軍歩兵の士気値を低くすること、十字軍を北東へ誘導する何らかのルールを設定すること、が必要だろう。

色々不満はあるが、十字軍重騎兵の突撃が見られる点は評価したい。

ゲーム上のプレイに関してのみ言えば、史実を意識しすぎて十字軍に積極的な攻撃をさせなかった点は良くなかった。十字軍はイスラム軍を勝敗判定チェックで敗北させなければ勝てないのだから、重騎兵、歩兵の全滅覚悟で毎ターン、総攻撃を仕掛けるべきだった。

この点は、今後プレイする時間があれば確認してみたい。

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CRUSADESⅡ(ハッティンシナリオ)~その2

5~7ターン(7月3日21:00~)

Fi2602379_1e 夜間ターンのため、一切の攻撃ができない。また敵ZOCに侵入できない。命令は待機または集合命令しか出せない。従って、移動する場合は敵ユニットから4ヘクス以内に進入できない。

専ら翌朝に向けて陣形を整える作業が進む。

南はギーとサラーフ・アッディーン、中央はレイモンドとタキー・アッディーン、北はバリアンとゴクボリが対峙する形となる。

強力な十字軍重騎兵の突撃を防ぐため、命令にとらわれないイスラム民兵が十字軍の戦列間際に戦列を作る。

尚、5ターンから勝利判定が始まるが、当然のことながら双方損害がないので勝利判定チェックはない。

8ターン(7月4日8:00)

Fi2602379_2e 双方の全指揮官が攻撃命令を出す。

十字軍は、レイモンドの重騎兵が中央を突撃突破し、イスラム軍を分断する策に出る。

歩兵は士気値が低く、攻撃を受けると敗走してしまう可能性が高いので、歩兵を前面に出すことは極力裂け、重騎兵とクロスボウ兵を前面に出す。※歩兵は戦闘力が5~6とわりと大きいので、多量に敗走すると勝利判定に必要な損害70戦闘力に達してしまう恐れがある。

レイモンド麿下の重騎兵がイスラム民兵を攻撃(白兵戦)し、1個を除去。民兵は防御射撃するが、命中率が悪くほとんど効果がない。

北ではバリアンのクロスボウ兵がイスラム民兵を遠ざさから射撃する。

南では静観の構え。

双方勝利判定に必要な損害に達していないので勝利判定チェックはない。

9ターン(7月4日8:30)

Fi2602379_3e 引き続き双方の全指揮官が攻撃命令を出す。

レイモンド麿下の重騎兵はイスラム民兵を攻撃(白兵戦)。民兵は防御射撃するが、命中率が悪くほとんど効果がない。イスラム民兵の戦列に開いた穴を、タキー・アッデイーンの軽騎兵が埋めている。

北ではバリアンのクロスボウ兵がイスラム民兵を接敵して射撃、1個を除去する。クロスボウ兵は命中率が高い。

南では静観の構え。

双方勝利判定に必要な損害に達していないので勝利判定チェックはない。

10ターン・十字軍プレイヤーターン(7月4日9:00)

Fi2602379_4e 引き続き双方の全指揮官が攻撃命令を出す。

中央では、レイモンド麿下の4つの重騎兵のうち2つが突撃状態になった。十字軍重騎兵のみが突撃状態になれ、これになるには戦闘フェイズ開始時に敵ZOCにいない状態で士気チェックを行い、成功する必要がある。突撃状態になると戦闘力は倍になり、士気値も最高の8になる。また、白兵戦の結果戦闘後前進できれば、更に4移動力で移動でき、隣接した正面の敵に再度白兵戦を行うことができる。ただし、移動中には移動する向きを変更できない。

更に、このシナリオでは突撃状態になった十字軍重騎兵はサイの目6以上で狂乱状態になる。狂乱状態になると、白兵戦(攻撃・防御)で戦闘結果表を有利な側に2コラムシフトでき、士気チェックのサイの目が1有利になる。最初の白兵戦で戦闘後前進できなくても、2回目の攻撃を行える。また一切の命令を無視する。

尚、突撃状態は戦闘時に行う士気チェックに失敗すると解除される。狂乱状態も同様に士気チェックに失敗すると解除されるが、その時は疲労状態になり、一切の戦闘はできず1ヘクスしか動けず白兵戦、士気チェックで不利な修正が行われる。

突撃状態の十字軍重騎兵は以上の通り特別な能力を持ち、きわめて強力でイスラム軍にとっては恐怖の的だ。

尚、士気チェックはゲーム中頻繁に発生する。各ユニットが持つ士気値以下のサイの目が出れば成功になる。戦闘の直前に攻撃・防御双方が必ずユニット毎に行い失敗すれば戦わずして後退しなければならないし、戦闘(射撃または白兵戦)の結果士気チェックを強いられた場合、失敗すれば敗走状態になる。敗走中のユニットは戦闘はできずその他不利な修正をこうむる。指揮官の指揮範囲(指揮官によりヘクス数が異なる)にあれば士気チェックを行うことができ、成功すれば通常の状態に回復できる。

突撃状態の重騎兵の白兵戦攻撃により、タキー・アッディーンの軍には大損害が出ている。十字軍重騎兵はイスラム軍の戦列を突破した。

北では、バリアンとスタックした重騎兵が突撃状態になり、攻撃を開始している。

10ターン・イスラム軍プレイヤーターン(7月4日9:00)

Fi2602379_5e ゴクボリはバリアンの正面から軍を引き上げ、タキー・アッディーンと共同で突破したレイモンドの十字軍重騎兵を包囲して総攻撃し、若干の損害を与え非突撃状態へ戻すことに成功した。しかし十字軍重騎兵は3ステップ持ち、中々戦力が減少しない。突破したユニットは結局総攻撃に耐え、1ステップの損害にとどまっている。

サラーフ・アッディーンは自軍が急速に不利になるのを見て正面のギーに対して攻撃する。敵に若干の損害を与え、いくつか敗走状態にしたものの虎の子の10戦力の重騎兵を1ユニット失ってしまった。

このターン、イスラム軍は全滅25戦力、敗走中10戦力、戦力減少11戦力、合計46戦力の損害になった。

11ターン・十字軍プレイヤーターン(7月4日9:30)

Fi2602380_1e 自軍重騎兵が包囲されたもののイスラム軍の戦列が乱れたのをチャンスと見たレイモンドは、自らタキー・アッディーンに攻撃を仕掛けた。しかし攻撃は失敗し大損害を受けて後退した。

前ターンに後退したゴクボリの軍にバリアンが追いつき、攻撃を行って損害を与えている。

ただし、突撃+狂乱状態になったばかりの重騎兵がふがいない事に士気チェックに失敗し、疲労状態になってしまった。

全滅0戦力、敗走中5戦力、戦力減少8戦力、合計13戦力の損害。

11ターン・イスラム軍プレイヤーターン(7月4日9:30)

Fi2602380_2e タキー・アッディーンは包囲した十字軍重騎兵を全滅させた。

ゴクボリは敗走中のユニットを回復させ再び戦列を再構築した。

サラーフ・アッディーンは、ギーの本陣を攻めあぐねている。ギーのスタックは士気値8のアークル、リッダの歩兵だが、聖十字架とギーがスタックしているため士気値10、戦闘力24になっている。士気値10は、士気チェックに必ず成功することを意味している。

しかたなく、ギーのスタックと隣の重騎兵を取り囲んで側面後面から攻撃しようと突破を図っている。

全滅40戦力、敗走中6戦力、戦力減少14戦力、合計60戦力の損害。あと10戦力で勝敗判定ができる状態になる。

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CRUSADESⅡ(ハッティンシナリオ)~その1

3W社のCRUSADESⅡ(十字軍Ⅱ)のハッティンシナリオをソロプレイしました。
Fi2602291_1e

【ゲームの概要】

テーマ:1187年にパレスチナのハッティンの丘付近で発生した十字軍とイスラム軍(アイユーブ朝)の戦い。十字軍衰退の端緒になった。

ゲーム期間:7月3日19:00~7月4日12:00。1ターン30分。

1ユニット:500~1000人?

ゲームマップ:現イスラエル共和国のガリラヤ湖西方、かつてのマレスカルシア周辺。

ゲームシステム:命令~移動~戦闘(射撃、白兵戦)~回復の順で行う。

特徴的なルール:命令は各軍3人ずついる指揮官が直属の部隊に与え、攻撃、前進、守備、退却、待機、集合がある。他に十字軍重騎兵、夜間、聖十字架等のルールあり。

勝利条件:5ターン目以降の回復フェーズに、全滅あるいは敗走中の自軍ユニットの戦闘力を合計し、勝利表にて該当する戦闘力の欄のサイの目以上が出れば負け。

最終ターンまでに勝敗が決まらなければ、イスラム軍の勝利。

CRUSADESⅡにはハッティンシナリオの他、ハバスク、ニコポリス、タンネンブルクの各シナリオがある。

【ハッティンの戦いについて】

イスラエル旅行前にパレスチナで起こった2つの重要な戦い、ハッティンの戦いとアイン・ジャールートの戦いを知り、興味を持ちました。

ハッティンの戦いの詳細については書籍によって内容に違いがありましたが、私が読んだもののうちで最も詳細だった前嶋信次著、誠文堂新光社刊、「民族・戦争」の「ハッティーンの決戦」を参考にしました。

この戦いが発生した時代背景は当ブログ内のイスラエル旅行記に書かれています。以下はより詳細な経過を書き出してみました。

     1186年、エルサレム王国の王座に一介の騎士ギー・ド・リュシニャンが就くと、十字軍の重鎮トリポリ伯レイモンドはこれを承認せず、両者の間には緊迫した空気が漂う。一方、カラク城主ルノー・ド・シャティヨンは再び独善的な行動に出て、アイユーブ朝のスルタン、サラーフ・アッディーンとの休戦条約を破ってアラブの隊商や巡礼者を襲って殺したり拉致したりした。

     サラーフ・アッディーンはジハードを宣して兵士の動員を開始する。ギーは政敵レイモンドを攻めようとしたが、レイモンドは親交のあったサラーフ・アッディーンと同盟条約を結んで守備を強化、ギーは撤退する。

     十字軍の内紛を恐れた十字軍諸侯はギーとレイモンドを和解させようとする。サラーフ・アッディーンは、条約に基づきガリラヤ湖畔を偵察させてほしいとレイモンドに申し入れる。レイモンドはやむなく受け入れ、1187年5月1日に七千のイスラム騎兵がレイモンドの領内に入る。たまたまナザレ南方のラ・フェーヴの城にいたテンプル騎士団、聖ヨハネ騎士団五百がこれに激高して、ナザレ北方のクレッソンの泉でこれを襲ったが、壊滅した。この勝利でイスラムの士気は上がった。十字軍の危機感は増し、ギーとレイモンドは和解する。

     5月末、サラーフ・アッディーンは全軍を集結させた。重騎兵1万2千、軽騎兵3,4千、歩兵数千の他、相当数の義勇軍があった。

     6月26日金曜日、サラーフ・アッディーンは十字軍の領域に侵入し、レイモンドの妻が守るガリラヤ湖畔のティベリアスを攻めた。広大な領内各所から様々な民族の兵士を動員していたサラーフ・アッディーンは、早く戦いの決着をつける必要があった。一方、自国内で迎え撃つ十字軍は、時間が経つほど有利であった。そのため、堅固な要塞から十字軍をおびき出すべく罠を仕掛けたのだった。サラーフ・アッディーン自身はティベリアス~ナザレ北方のル・サフォリを結ぶ街道の南に位置するカフル・セブトに陣取った。

     ル・サフォリに集結していた十字軍は、ティベリアスを救援すべきかどうか評定を開いた。レイモンドは救援せず、堅固な諸都市で迎え撃つことを主張し、諸侯も賛同したため救援は見送りになった。ところが、テンプル騎士団総長ジェラール・ド・リードフォールやルノーは、サラーフ・アッディーンと親交を持つレイモンドを心良く思わず、ひそかにギーに進言してこの決定を覆してしまう。

     7月3日の朝、十字軍2万はレイモンドの軍を先鋒に、ティベリアスに向け進軍を開始した。真夏の酷暑のため途中の川や泉は干上がり、全く水を補給することができなかった。そのため騎乗の騎士はまだしも重い甲冑を身に着けた歩兵は恐ろしい渇きに苛まされた。しかも、イスラムの前哨部隊が波状攻撃をかけ、行軍は大幅に遅滞した。一方、サラーフ・アッディーンはティベリアスに小部隊を残してティベリアス西方に軍を集結させた。

     正午近く、十字軍はティベリアスとル・サフォリの中間地点、マレスカルシアに達した。疲労困憊し前方にイスラム軍が待ち構えているのを見た兵士は、これ以上進軍する気力が無く、水のないマレスカルシアに野営せざるを得なくなった。

     野営した十字軍をイスラム軍は包囲し、近くの林を焼き払ってその煙と渇きで十字軍を苦しませた。イスラム軍は十分な水や食料に恵まれ、軍備も十分に整えていた。

     7月4日の朝、レイモンドの軍を先鋒にした十字軍はティベリアスではなく、北方のワーディー・ハンマーム(現ミグダル村近く?)を目指して水を得ようとした。9:00、ルビア村付近でこれを阻止するイスラム軍と激突した。

     イスラム軍はまず十字軍に対して雲のような矢を射かけた。これで騎士と馬を守る歩兵が倒れ、騎士は馬を失った。十字軍の重騎兵の戦力は激減した。歩兵はのどの渇きと暑さで敗走し粉砕された。イスラム軍は枯草に火をつけ、残された十字軍騎士はその煙に苦しんだ。騎士はギーと聖十字架(キリストが磔刑されたとされる十字架)を中心に円陣を作って抵抗した。

     レイモンドは突撃を試みたが、突出したところをサラーフ・アッディーンの甥、タキー・アッディーンに包囲され、命からがら戦場を離脱してトリポリに逃れた。イスラム軍が見逃したとも言われる。イブリンのバリアンも戦場を離脱した。

     ギーは150人の騎士と共にルビア北方のハッティンの角と呼ばれる丘に上がり、何度か突撃を試みたが、ついにイスラム軍に蹂躙された。

     聖十字架はイスラム軍の手に渡り、捕らえられたルノーとテンプル騎士、聖ヨハネ騎士は斬られた。ギーとその他の騎士、兵士は捕虜になり、後日釈放された。この戦いで十字軍は事実上壊滅し、イスラム軍は地中海岸の十字軍都市を次々と攻め落とした。エルサレムは9月20日に包囲されたが、10月2日に和議がなり、キリスト教徒の安全保障と引換えに明け渡された。この敗北により、第三回十字軍が結成される事になる。

【プレイの実際】

このゲームでは、上記の⑧から⑪を再現している。戦いの名前になっているハッティンの丘は地図盤上になく、⑬は再現できない。かなり残念な話である。

尚、ルールの和訳にはあいまいな点が多く、こちらで勝手に解釈した部分があることをお断りします。

1ターン(7月3日19:00)
Fi2602291_2e

先攻は十字軍。まずトリポリ伯レイモンドの軍、重騎兵4、歩兵6、クロスボウ兵3が西端(左)から登場する。この兵力は十字軍中最大。

命令は前進命令。前進命令は全移動力が使え、移動する場合は最も近い敵ユニットに近づくような移動しかできない。

騎兵は移動力が大きく、道路移動を使えばかなり東方に進出できるが、歩兵から離れて単独で突出するとイスラム騎兵に包囲され、各個撃滅されかねない。そこで歩兵と足並みをそろえて前進する。マレスカルシア辺りまでの前進になる。

尚、十字軍で射撃能力があるのはクロスボウ兵のみである。

イスラム軍は、タキー・アッディーンの軍、重騎兵3、軽騎兵7が東端から登場する。この構成を見てわかるように、イスラム軍はほとんどが騎兵である。機動力があるので、早くも地図盤の中央付近に進出している。軽騎兵には射撃能力がある。

地図盤情報のニムリンにいたイスラム民兵10も南に移動する。イスラム民兵やクロスボウ兵は接敵することができないが、射撃能力があり、戦闘直前に不利だと思えば後退することができる。また戦闘の結果後退を強いられても敵ZOCを通過して後退できる。

通常のユニットには“向き”があり、正面と側面にしかZOCがなく、射撃や移動も正面にしか行えず、正面以外から攻撃されると不利益を被るが、イスラム民兵やクロスボウ兵は全ての方向が正面である。また指揮官の命令にとらわれずに行動できる。

スタックは、最初に登場した時のみ同じ兵種であれば2個までスタック可能だが、いったんスタックをばらしてしまえば、二度とスタックできない。スタックしていないユニットがスタックすることはできない。

2ターン(7月3日19:30)
Fi2602291_3e

十字軍は、西端から総指揮官エルサレム王ギーと聖十字架が前進命令で現れる。重騎兵3、歩兵6、クロスボウ兵3。歩兵の足の遅さで大して前進ができない。配下の重騎兵2と歩兵2(アークルとリッダ)は士気値が8で最大。

ちなみに聖十字架とスタックしているユニットは、士気値が1上がり、防御命令を受けていれば戦闘力が倍になる。イスラム軍がこれを奪えば、十字軍の勝敗判定時に十字軍の損害値に30ポイントを加えることができる。

イスラム軍は、南端から総指揮官サラーフ・アッディーンが前進命令で現れる。重騎兵4、軽騎兵6。全体的に戦闘力が高く、重騎兵3は士気値8。ルビアを通過して西方に向かう。

レイモンドとタキー・アッディーン、イスラム民兵は、対峙する形で陣形を整える。

3ターン(7月3日20:00)

Fi2602291_4e 十字軍は、西端からイブリンのバリアンが前進命令で現れる。重騎兵3、歩兵4、クロスボウ兵3。歩兵は強いが重騎兵は戦力が小さい。東方に前進せず西端に張り付いている。これは、このターンに登場するゴクボリのイスラム軍が西端から現れるため、それを阻止するためである。

イスラム軍は、ゴクボリが西端からの登場を阻止されたため、代わりに北端から現れる。重騎兵4、軽騎兵7。

4ターン(7月3日20:30)

Fi2602291_5e 十字軍は、イブリンのバリアンが北東に移動する。移動力が小さいため中々進めない。

イスラム民兵が射撃してちょっかいを出す。十字軍のクロスボウ兵が迎え撃つ。

5ターンは夜間ターンになるので一切の攻撃ができない。その前の小競り合いである。双方とも損害は出なかった。

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